大道芸は <大道芸・大衆・パフォーマンス>

街頭、広場、盛り場などにおいて、まったくの野天で、ときには仮設の掛け小屋で、芸を見せ、集まった群集から銭を集めたり、その芸を見せながら商品を売る巷間芸能を総称していう。

町辻で行うパフォーマンスperformanceということから、日本では辻芸とも称される。

芸を行う者のほうから各戸を訪れてきて芸を見せるのを門付芸と称して、いちおうは大道芸と区別されるが、なかには区別がつかない形態のものも多く、門付芸も広義の大道芸に含むとみる見方もある。

大道芸は、古今東西を問わず、民衆的活力を街頭に発散させるこのうえない空間をつくりだしたが、担い手が租税負担を負わぬ流浪の人々であることが多く、いきおい為政者側への、あるいは時代の支配的イデオロギーへの風刺や揶揄の色彩が強くなりがちなこともあって、弾圧と解放の歴史を繰り返した。

やがて近代になると、こうしたストリート・パフォーマンスを成り立たせていた街頭や広場そのものが強力な管理を受け、また大衆の娯楽が室内化し、非共同体化していく趨勢に押される形で大道芸は力を失っていった。

しかし、街頭管理に端的に表れた近代ブルジョアジー的秩序体系が世界的に疑問視され始め、1960年代後半フランス、日本をはじめ各国に巻き起こったいわゆる「異議申し立て」運動が、そろって、その表現の一形式として、道路を遊戯性に満ちた「広場」として奪回せよというスローガンを掲げたことは特筆される。

それを契機に街頭におけるさまざまなパフォーマンス、ハプニングhappeningやイベントeventの可能性が近年新たに模索されつつあるが、商業資本の側に利用されることのない、民衆的活力に満ちた大道芸の復活はなかなか困難というのが現状である。
update:2010年03月16日